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​第3回
ゆるやかにつながる共同体

第3回目は、

うーにゃんが生きる世界そのものを

見渡していくお話です

★動画リンク:

子猫の配達員うーにゃん(本編)

https://youtu.be/jbI6iZwXTMs

過去作リンクがどこかにあるといいかも?

──

うーにゃんのイラストや漫画を

投稿し始めた時の手応えは?

木川田

前に「えんぎもん」の漫画を

出していたこともあり、

『子猫の配達員うーにゃん』も

「スタジオななほしが作ってる」と

知っててくださる方も多かったんですよ。

​★画像:うーにゃん4コマ、イラスト。初期のもの

​かわいいキャラクターや動物好きな人、

あたたかいほっこりしたお話が好きな人に

見ていただけていると思います。

 

こつこつ続けるうちに

うーにゃんを応援してくださる方が

増えていきました。

──

アニメを出し始めた時はどうでしたか?

1カットずつお見せする形で、

1カットできたらすぐに

SNSにアップしてたんですよ。

 

できたものはやっぱりたくさんに方に

届けたいので、1カットにこめるこだわりが

いつもより強くなりました。

 

アニメは作るのがとても大変。

だから、とりあえずアニメは主題歌PVで

いったん区切るつもりだったんです。

 

でも応援してくださる方が増えて、

これだけじゃ終われないし、

終わりたくない気持ちになり、

クラウドファンディングでの

本編制作につながりました。

こーだい

──

それは幸せな「終われない」ですね。

うーにゃんが住む世界のこともお聞きしたいです。

家族を描くというより、共同体を描きたいんです。

「規模が大きめの街に、

ゆるやかにつながる共同体があればいいな」

というのが最初にあったんですよね。

 

「しっかりとした親と子ども」ではなく

うーにゃんが面倒見のいいお兄さんと教育係のAIと一緒に生活しているというお話にしました。

 

親が子を育てるのは当然のことだけど、当然じゃない。

 

「なぜ一緒に暮らし、支え合うのか?」

そういう部分も描きたいと思っています。

 

チーズ屋の3階に住んでいたシルバも、

一緒に住めばうーにゃんも生活していけるだろうし、「それくらいなら面倒みてもいいかな」くらいのわりと気楽な気持ちで決断をする性格も

いいなと思っています。

木川田

★川俣注:「もとは3階に住んでいた」+映像だと2階かなと思ったのでこの書き方にしています。

ひと昔前の日本でもありそうですね。

子どもが自由に外で動き回って、

それをご近所さんが見てるみたいな。

──

木川田

そうですね。

私が小さかった頃にはまだあった

記憶がありますね。

 

私の家は写真館だったんですよ。

住居部分が上の階で、下が店舗。

両親と祖父母と住居部分に住み、

子どもの私もお客さんをお迎えする。

 

「家に住んでいた」より

「お店に住んでいた」って感覚です。

 

だから「親がいなくても大丈夫」って

気持ちがあって、もちろんいてくれるのは

ありがたいけれど、いなくても子ども心に

なんとかなると感じてたんです。

現代だと地域のつながりや

共同体って、昔ほどは感じにくい。

──

木川田

親と子どもだけだと行き詰まるし、

ちょっとつらいですよね。

 

そうじゃない世界で生きる子を

描きたいというのも、うーにゃんが誕生した

理由のひとつです。

ご実家が写真館なのも面白そう。

撮影のお手伝いもしてたんですか?

──

木川田

してましたね。

写真屋としてホスト側の立場で仕事を

手伝っていた原体験があるんですよね。

 

だからうーにゃんが働くのも、

「これなら子どももできる」と

思っています。

★画像:木川田さんがお手伝いしている写真みたいなのがあれば…!昔の写真館など(あれば…!)

写真撮影って

色々な人の人生に触れられそうです。

──

木川田

すごく楽しいですよ。

七五三の撮影だと、

自分と同じ年くらいの子の

お着物の裾を整えたりして。

「共同体」のお話で、子どもを見守る

大人たちもまた大切な存在として描かれていますね。

一方で現代の日本だとネット上で子どもたちに対する厳しい意見もあります。

──

こーだい

うーにゃんの作品をつくり始めた頃は、

うちの長男が主人公に悪さをする怖いキャラクターが出てくるアニメを見られなかったんですよ。

少しでも不安や怖い要素があると嫌がって。

そういう子でも安心して一緒に見られる

作品をつくりたい、という思いがあります。

だから不安を煽る存在は登場しないんです。

★画像:配達をがんばってる最中のうーにゃん

木川田

「アンパンマン」でも

バイキンマンやドキンちゃんみたいな子はいても

怖い大人っていうのはいないですよね。

 

大人はみんな優しいのが前提で、子どもは

子どもの時間を生きたほうがいい。

あえて作品に出すことはしていないです。

まずは大人を信頼していい、

失敗してもいいから挑戦してもいいんだよ、と。

──

木川田

子どもが何かに挑戦する時に、

共同体の地盤があった上で挑戦しないと、

足元に何もないうちに向かっていかないと

大変だと思うんですよね。

 

やっぱり共同体の安心感や

大人の優しさが感じられる中で

未知のことに挑戦してほしいです。

自分の子じゃなくても、子どもは

みんな楽しく過ごしてほしいみたいな。

そういう想いに共感する人たちが、

うーにゃんの作品を応援してくれるのだと思います。

──

木川田

「こんな世界があったらいいな」

「優しい人たちがいてくれたら」

コメントを見ていると、うーにゃんのような

ほっこり感に対するものが多いので、

求められている気がしますね。

​第4回へつづく(近日公開)
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