
──
「子猫の配達員 うーにゃん」の
主人公・うーにゃんは、
SNSで国内外のたくさんの人に
見守られている子猫のキャラクター。
小さな子猫なのに、がんばる姿に
大きく元気づけられます。
木川田
ありがたいです。
ずっとやりたいと思っていた、
子ども向けのオリジナル作品が
「うーにゃん」なんです。
──
うーにゃんの漫画やイラストを
描き始めたのが、2021年頃ですよね。
木川田
ちょうどコロナ禍のタイミングでした。
デリバリーを使う人が増えたのを見て、
配達のお仕事をする子猫という
「うーにゃん」のアイデアが浮かびました。

──
木川田さんはお子さんがいますよね。
その影響もありますか?
木川田
息子が2人います。
私が育ったのも、今住んでいる場所も、
昔ながらの商店街の中です。
今でこそ、息子はもうお兄さんですが、
まだ小さかった頃にお金を持たせて
自分だけでおつかいに行かせると、
お店でたくさん褒めてもらえて、
帰ってくるとそれはもう嬉しそうで
ご満悦なんです(笑)。
──
達成感いっぱい。
木川田
昔だと、きっとお駄賃を
もらって色々な場所におつかいや
お届けものをしたのかなと思います。
働いてはいるんですけど、ほぼ
かわいがられるためだけに出向いてる、
みたいな話もいいのかもしれない。
届けたものの何倍も、うーにゃんが
お客さんから何かをもらって、
成長してくれたら面白いと考えました。
──
猫にしたのはどうしてですか?
木川田
うちで猫を飼っているのと、
ふわふわ、もちもちがやっぱりかわいい。
ビジュアル重視でいきました。
──
ふわふわ、もちもちは大事!
木川田
人間の子供もかわいいですが、
町に色々な動物が生活していたり、
カルパのようなカエルの見た目の
AIナビゲーターがいたりと、
ファンタジーの方が大人も子どもも
この世界そのものに
愛着をもってくれそうだと思いました。
人間の子どもがお仕事するとなると
現実と接続して考えてしまいそう。
──
それもあります。
木川田
まずはうーにゃんが生まれて、
その後はどうでしたか?
──
私は物語が先に頭に浮かぶタイプで、
プロットとも言えないような
走り書きをスマホでメモして、
10数話くらい一気に書いていきます。
木川田
──
まずはストーリーから。
木川田
そうしていくうち、
うーにゃんの周りの
キャラクターや、関係性が見えて、
その世界全体が見えていく。
メモの中からネタをピックアップし、
漫画に落とし込んでいきました。
どういったネタがあったんですか?
──
漫画の第1話で描いた内容になるのですが、
木川田
ピザをお届けしに行ったら中が
ぐちゃぐちゃになってて…という。
ヤギのお兄さんがうーにゃんを見て
「ほっとけない」
「俺がなんとかしてあげなきゃ」
そういう気持ちになって、何度も
ピザを配達させて、できるようになる。
私が自分の子に教えるのと同じですね。
うーにゃんのアイデアを見た
こーだいさんの反応は?
──
このデリバリーのネタは当時SNSで
いろんな意味で話題になっていたので、
扱って大丈夫かなと思うところも
あったのですが、内容はほっこり
するところに落とし込まれていて、
そのギャップが面白いなと思いました。
ベースとなるアイデアは木川田が
考えていて、僕はあがってきた
4コマやショート漫画を読んで、
こうするといいんじゃないかとか、
あれこれ言うみたいな。
こーだい
読んでもらって、
「4コマ目を3コマ目にするといいね」とか。
木川田
こーだい
「オチがオチきってないよ」もよく言ったね。
関西出身だからすごくオチに厳しい(笑)。
木川田
──
(笑)。
木川田
ほっこりした感情だけで
終わらせようとすると、
「待った」が入りますね。
「もっと面白みがほしい」って。
面白みは必要でしょう(笑)。
こーだい
それはもちろん。
木川田
こーだい
漫画を読ませてもらう時は、
編集者っぽい立ち位置で
読んでいます。
──
ちょうど漫画家と編集者みたいで
いいバランスですね。









