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​第5回
絵本がそのまま動き出したようなアニメーション

うーにゃんが生きる世界は

どんな場所なのか?

 

イメージがかたまったあとは

それをどんなアニメーションにするか。

 

第5回目は、その試行錯誤の過程を

ご紹介していきます。

──

主題歌PVの反響があったあと、

その後もすごい勢いで発信を続けていますよね。

漫画、イラスト、ボイスコミック、ショートアニメ、そしてクラウドファンディングで条件を達成した短編アニメ本編の制作も。

こーだい

実は、うーにゃんの企画の初期のタイミングから

キャラクターのモデルをつくったりと、

アニメ制作の準備を進めていました。

★図:クッションに埋もれるうーにゃん

主題歌PVでは、

クッションの山の中で眠るうーにゃんが

目を覚ます場面から始まり、

窓から配達に出る場面で終わります。

 

短編アニメ本編ではその続きを

描こうと思っていましたが、

二転三転あって、

ストーリーはうーにゃんが配達を始める

きっかけを描きたいということになりました。

「はじめてのおつかい」をテーマに、

「はじめての配達」のストーリーを作る

ことになりました。

 

予定していた主題歌PVに続くストーリーは、

ボイスコミックとして

「ピザ編」「たまご編」「ドーナツ編」を

制作しました。

★図:ボイスコミックのurl、場面写など

──

短編アニメ本編を見ると、

ビジュアルとしては

今のうーにゃんに落ち着いた感じがしますね。

こーだい

「えんぎもん」と同じく

これまでの作品はずっと3Dソフトで

制作していましたが、

今回使っているのは「Moho」という

アニメーション作成ソフトです。

★図:Moho制作画面

切り絵のように絵を動かせるのですが、

どこまで立体的にキャラクターを動かせるのか

どうすればいいアニメーションにできるか、

主題歌アニメPVの制作に入る前から

試行錯誤を重ねていました。

 

限られた時間の中ではありますが、

今までとは違うルックに挑戦したい

という思いもありました。

主題歌PVの以前と以後で、

映像の雰囲気が違うのは

ソフトが違うからなんですね。

「これぞうーにゃんの動き」と、

作り手の中でピンと来た瞬間は?

──

こーだい

もともと僕はCGアニメーター出身なので

自分でもアニメーションをつけます。

うーにゃんに関しては、

チーフアニメーターの山田桃子さんに

大部分をおまかせしました。

山田さんのおかげでうーにゃんの

動きのイメージがより鮮明になりました。

山田さんは「とむとじぇりーごっこ」など

多数のアニメーションで

アニメーターとして活躍していますね。

──

こーだい

そうですね、

山田さんは手描きのアニメーターとして

様々な作品で腕を磨いてきた方です。

今回、特に印象的だったのは、

歩きや走りのアニメーション。

★図:本編 場面写 うーにゃんが家に入るシーン

うーにゃんが初めてシルバの家に入るシーンも、

「こんなにやわらかくてふわふわした

歩き方を描けるんだ」と、

初めて見た時は感動しました。

木川田

うーにゃんは猫だけど、

しっかりと子どもの動きなんですよね。

こーだい

手描きアニメーションだと、

入れる動画の枚数が制限されます。

日本の一般的なアニメは

リミテッドアニメーションですが、

自分がやりたいのはフルアニメーションだと、

作りながらだんだんと意識するようになりました。

 

「うーにゃんPV2020バージョン」制作の時点では、まだ自分がやりたいフルアニメーションの方向性を上手く言語化できていませんでした。

方向性を探っていたので、僕もまだ半分くらい

アニメーションを担当していました。

★図:うーにゃんPV2020 場面写やurlなど

短編アニメ本編の制作時は、

Mohoの表現にもだいぶ慣れてきたので、

アニメーションに関しては、

山田さんをはじめとする社内アニメーターに
ほぼおまかせして、

僕は演出と撮影を担当しました。

主題歌PVの前に「うーにゃんPV2020バージョン」、「踊る子猫のうーにゃん『ピンポンハロー』」を公開しています。

この頃はまだ表現を模索中だったんですね。

──

木川田

曲はキャプテンミライさんにお願いして、

私がつくった歌詞に曲をつけてもらいました。

歌は中学時代の友達の梅田ゆかりさんです。

​★図:「僕、うーにゃん」「ピンポンハロー」場面写やurlなど

つくっていただいたデモ曲は

「僕、うーにゃん」と「ピンポンハロー」の2つで、選んだのは「僕、うーにゃん」でした。

でもせっかくなので「ピンポンハロー」も

出したかったんです。

こーだい

「踊る子猫のうーにゃん『ピンポンハロー』」は

「世界猫の日」に合わせて公開しました。

※「世界猫の日」は毎年8月8日

★図にして入れたいです:

子猫の配達員 うーにゃん

アニメーションのあゆみ

2020年

6月 うーにゃん企画が始動

12月 「うーにゃんPV2020バージョン」

2021年

7月 「子猫の配達員『うーにゃん』主題歌アニメPV」公開

短編アニメ「子猫の配達員 うーにゃん」制作のクラウドファンディングを開始

8月 「踊る子猫のうーにゃん『ピンポンハロー』」公開

   短編アニメのクラウドファンディング支援達成

2022年

8月短編アニメ「子猫の配達員 うーにゃん」公開

ボイスコミック「ピザ編」公開

9月 ボイスコミック 「たまご編」公開

ボイスコミック 「ドーナツ編」公開

11月 ボイスコミック 「猫島シルバ編」公開

★川俣注:第2回目のインタビューで

「アニメは主題歌PVでいったん区切るつもりだったが応援してくださる方が増えクラウドファンディングでの本編制作につながった」とあるので、2021年の順番はこちらにしています。

こーだい

改めて振り返ると、

「うーにゃんPV2020バージョン」の頃は

一番試行錯誤していた時期ですね。

キャラクターデザインや美術はもちろん

光の入れ方も全然違いますね。

──

こーだい

光の演出はかなり意識しました。

主線が多いと光が乗りづらくなってしまうので、

思い切って少なくしました。

かといって、全く無い状態だと

絵がぼんやりしてしまうので、

丁度いいバランスをさぐりながら作っています。

これらのあゆみを見ると

「絵本みたいなアニメーションをつくりたい」の

挑戦をみごとに叶えたと思います。

──

こーだい

Mohoを使い始めた頃は、

どこまでできるのか自分でも未知数でしたが

思った以上の絵作りができて、
うちの作風との相性の良さを実感しています。

 

切り絵なのに立体的にも動いているので、

周りのクリエイターには

「うーにゃんって3Dじゃなかったの?」と

よく驚かれます。

3DCGのソフトだと、こうした

アニメーションは難しいですか?

──

こーだい

やっぱり3Dの立体感とは違いますね。

3DCGのセルルックアニメは

今じゃたくさん作られていますが、

3Dでこういう2D的な絵をつくるのは、

一度立体で作ったものを平面的な絵に

落とし込むので、どうしても3次元的な

情報量が増えてしまうんですよね。

​第6回へつづく(近日公開)
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