
第4回
うーにゃんは小さな「御用聞き」

第4回目は、
うーにゃんが生きる世界そのものを
見渡していくお話です。
──
うーにゃんが住む街には、
どれくらいの住民がいるのでしょうか。
すでに漫画でもイラストでも
多くのキャラクターが登場しています。
木川田
けっこう大きい街で、街というより都市のイメージ。
これもまた私の原体験がもとになってて、
昔、上海に行った時に近代的な高層ビルと
昔ながらの懐かしさ漂う下町が
混在しているのが面白かったんですよ。
★画像:街並
──
描かれている街をよく見ると
中華風の建物があれば、高層ビルもありますね。
何度か旅行に行った
東南アジアの街も参考にしています。
ほかにも、うーにゃん、
シルバ、カルパが住んでいる
チーズ屋の「マウスチーズ」は私の家に
雰囲気が似ていますね。
木川田
★画像:マウスチーズ外観など
スタジオななほしがある高田馬場で
育って、実家である写真館の上の階に
住んでます。
ビルとビルに挟まれて、細長くて
レトロな雰囲気の建物です。
──
ここが出身なんですね。
高田馬場は中華料理店はもちろん、
韓国、ミャンマー、ベトナムなど
色々な国の色々なお店があって、
多様な文化が混在している場所です。
それもまたうーにゃんが住む世界を
描く時に影響していると思います。
木川田
この街は現代というよりも
近未来な感じですか?
高度な技術が存在してそう。
──
木川田
そうですね。
荷物もドローン配達できるし、
それが当たり前になっている都市。
そんな場所であえて配達員にお願いするのが
いいなと思ってます。
万が一に壊れても大丈夫な
荷物はドローン配達で、
お得意さんに届けるとか、
誰かに届けてほしいって時は
配達員にお願いするみたいな。
ここでの配達員は、色々なことを
頼める「御用聞き」のような存在です。
★画像:配達中のうーにゃん、街・全景の美術など
うーにゃんは配達するだけじゃなく、
お客様の色々な依頼に応える子なんですね。
──
木川田
「顔見知りにちょっと頼みたい」
「あのお店の子におつかいに来てほしい」
そういう依頼も受けてます。
あと、マウスチーズはドローン配達じゃなくて
配達員でお得意さんに向けて配達するスタイルです。
かつてはシルバも働いてました。
この世界では、カルパのような教育係のAIが
いるのも普通のことなんでしょうか。
──
★画像:カルパ
木川田
カルパは考えている設定があって、
実はこの世界にカルパ的な存在はあまりいません。
猫島の発明家に生み出されたのがカルパで、
小さな子どもの面倒を見ることに特化したAI。
「親が目を離しても見守ってくれるAIがいたらいいな」とふと思ったのが、カルパ誕生のきっかけです。
それはいてもらいたいですね。
全世界の親が願っていることだと思います(笑)。
シルバとの出会った時の、猫島にいたうーにゃんはどういう状況なんでしょうか?
──
★画像:うーにゃん漫画 シルバとよれよれうーにゃん
こーだい
あそこにはうーにゃんみたいな
子猫がいっぱいいるんですよ。
木川田
野良の子猫がいっぱいいて、
ごはんをくれるおじさんがいます。
「あそこでごはんをくれるらしいぞ!」と
わかると、みんなわっと集まる感じ。
こーだい
ごはんを配ってくれる人がいたりと、
猫島のみんなが家族みたいで、島全体が共同体。
そこでうーにゃんをほっとけなかったシルバが
拾って、今では一緒に生活しています。
木川田
シルバの過去のエピソードも描きたいね。
生活能力が高いお兄さんじゃないから、カルパがいないとちょっといい加減になりすぎちゃうタイプ。
カルパがうまくまとめてくれてるんですね。
他にもキャラクターがたくさんいます。
ねずみ店長やトイプーちゃんみたいにすっかりお馴染みのキャラクターから、まだ名前も出ていないキャラクターも。
例えばクマのお兄さん。
──
木川田
クマのお兄さんはもっと登場させたいんですよね。
他にもうーにゃんの同僚で、
しっかり者のトイプーちゃんの家に遊びに行く話やカルパとうーにゃんが離れ離れになる話も
まだ出せてないです。
こーだい
見習いチーズ職人のチッチも登場したし。
描きたいお話がいっぱいあるね。
木川田
うーにゃんが面倒を見る側になるのも
楽しいかもと思って、登場させてみました。
小さい子が小さい子の面倒を見るのって
かわいいんですよね。あとはヤギのお姉さんも
気になる存在です。
──
★画像:ヤギのお姉さんと家
木川田
「子猫の配達員うーにゃん」本編で、
うーにゃんがヤギのお姉さんに配達するシーンですね。
坂の上にあるクラシックな豪邸に住んでいます。
この世界にも経済的な格差があるんです。
これも私が子どもの頃に経験したことで、
お金持ちの人が住むクラシックで大きな屋敷が
近所にあって、子ども心に憧れていました。
お庭にきれいな薔薇が咲いてて、素敵な奥様がいて話しかけたいけど話しかけられなかった思い出があります。
うーにゃんのお話も、最初は配達の
お仕事のエピソードがメインでしたが
今ではお料理、ピクニックなど日常を描いてて、
世界そのものを描いてる感じ。
時間がどれだけあっても足りないくらい、
うーにゃんのネタがたまってますね。
もっと時間がほしい(笑)。







